高校授業料無償化が2010年にはじまり、2014年から『高等学校等就学支援金』制度に変わり、公立でも私立でも対象となっています。
現在では所得制限が設けられているものの国公私立問わず「就学支援金」が支給されていますね。
2017年2月に安倍首相が大学など高等教育授業料無償化に向けて検討をはじめたというニュースが流れました。子供を持つ親にとっては、高校、大学とこれからかかる教育費が気になるところ。
無料になると非常に助かりますよね。
その無償化の内容について調べてみました。
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無償化の内容は?
安倍総理直属の「教育再生実行本部」(桜田義孝本部長)にプロジェクトチームが設置され、学校教育の諸問題とともに検討されています。
2017年8月18日のニュースで検討中の内容が明らかになりました。
現在2案あり、検討を進めているとのこと。その2案とは…
1.全国民を対象に在学中は授業料を取らず、卒業後に所得に応じて拠出金の形で納付
2.一定の所得制限をした上で給付型奨学金を拡張し、返済の必要はない
無償化といいながら、1だと無料にはならず、卒業後に支払うことになります。今の奨学金制度の資格を引き下げただけとなりますね。
現状の奨学金制度がなくなるのかもしれませんが、高校の制度と同じであれば、支給上限額が決まるでしょうから、不足分を補う新たな制度にかわるのかもしれません。
なお、2020年から施行できるよう審議を進めるとしています。
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財源はどうするの?
大きな課題は財源でしょうね。2案とも数兆円規模の財源が必要だそうです。ただでさえ、日本の借金が膨らむ一方なのにどこにそんな資金があるのでしょうか?
自民党からは教育分野に限って発行する「教育国債」を創設しようという声もあがっているようです。結局新たな借金を増やす、ということですよね。
これでは借金をして、支払いを先延ばしにしているだけです。
ヨーロッパの一部の国では無償あるいは低額で高等教育を受けられる仕組みを作っています。しかし、財源はやはり税金や社会保障費から捻出しています。
日本の税・社会保障負担額は31%であるのに対して、フランスは47%、ドイツ39%、フィンランド44%と高負担となっています。
教育だけではなく、医療などもトータル的にみて、国債という借金にするのか、税・社会保障という負担にするのか、もう少し考えないと、いつまでたっても国のプライマリーバランスは改善されません。
もっと俯瞰してものを考えて欲しいです。
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他の課題
ちなみにこの制度、「学び直したい」社会人も適用されるのでしょうか?
また、留年した場合や途中退学した場合はどうなるの?など、まだまだわからないことが多いですね。
本来は、将来の人財を育成することが目的だと思うのですが、表現が適切ではないかもしれませんが、レベルの低い教育に対しても、同じ財源を使うのは問題ではないでしょうか?
ある方が提言していましたが、偏差値を基準として、○○以上は満額、xx以下は40%などと補助レベルをわけてもいいかもしれません。何らかの物差しが必要でしょうね。
まとめ
いかがでしたか?
諸外国の制度も十分比較検討されているのでしょうか?
こういった検討はブラックボックス化され、途中経過がほとんどわかりません。
マスコミも結果だけではなく、検討結果もしっかり調べて報道して欲しいですね。
十分議論され、国民が納得する形で法制化されることを期待します。
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